ウイルス性胃腸炎 ヒトアストロウイルス

ヒトアストロウイルスは年間を通じて検出されますが、冬季に好発する傾向があります。潜伏期間は1〜2日で、下痢・嘔吐の症状を呈します

ウイルス性胃腸炎 ヒトアストロウイルス

ヒトアストロウイルスは、アストロウイルス科に属するウイルスで、直径27〜32nmのエンベロープのないプラス鎖1本鎖RNAウイルスです。8つの血清型が存在しますが、血清型1型のウイルスが圧倒的に多く存在します。一方、長い間流行をみなかった血清型のヒトアストロウイルスが、成人を中心にして特定の地域に大規模な胃腸炎の集団発生を引き起こすことがあるので公衆衛生学的見地からも注意が必要です。

乳幼児の保育施設での急性胃腸炎の集団発生の原因となることがありますが、ロタウイルスやノロウイルスによる胃腸炎に比べて、一般的に症状は軽いことが多いようです。生後5〜6か月以降4歳頃までの小児の罹患が多く、小児期の急性胃腸炎の約5%を占めています。
糞口感染によるヒト〜ヒト感染が最も一般的な伝播経路と考えられおり、最近の調査では、ヒトアストロウイルスの流行は、以前考えられていたよりも多いことが示されています。また、ヒトアストロウイルスは年間を通じて検出されますが、冬季に好発する傾向があります。潜伏期間は1〜2日で、下痢・嘔吐の症状を呈します。

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