WDHA症候群は、1958年にVernerとMorrisonにより報告された下痢を主症状とする内分泌疾患です。WDHA症候群の名称は、水様性下痢(Waterly Diarrhea)のW・D、低カリウム血症(Hypokalemia)のH、無酸症(Achlohydria)のAに由来しています。当初は同じ消化管ホルモンであるガストリンが過剰分泌をきたす、Zollinger-Ellison症候群の亜型と考えられていましたが、現在では、別名VIPomaとも呼ばれ、ほとんどがVIP産生腫瘍により発症し、その大部分が膵内に発生することが知られています。
WDHA症候群の主な特徴は1日の数リットルにも及ぶ「tea like」と称される分泌性水様下痢です。絶食しても便量の減少は認められませんが、下痢症状には増悪と寛解がみられます。便には多量の水分やカリウム、クロールなどが含まれるため脱水や低カリウム血症、全身衰弱などが認められます。更に耐糖能異常や肝嚢腫大、皮膚紅潮、高カルシウム血症なども見られます。
診断には、血中VIPの上昇が有用です。
治療法
腫瘍の全摘出。摘出手術を行った後にVIP産生腫瘍が全て摘出できたかどうかを血中VIP測定で確認します。また下痢が続き、腫瘍が悪性で且つ転移がみられる場合は、化学療法が行われます。その他、WDHA症候群では保存療法を低カリウム血症及び脱水に対して適用します。水溶性下痢を改善させるためにはサンドスタチンなどが用いられます。
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