旅行者下痢症 の 急性下痢症 には、細菌性下痢症・ウイルス性下痢症・寄生虫下痢症があります。
2)ウイルス性下痢症
基本的には細菌性下痢症と類似しています。臨床的に両者を鑑別することや、病原体を特定することは困難ですが、嘔吐の頻度は比較的高いとされています。
主な起因病原体は、ノロウイルス、ロタウイルス、アストロウイルスなどですが実際に診断されることは少ないようです。治療は対症療法が中心となります。
3)寄生虫性下痢症
寄生虫による下痢症はほとんどが腸管原虫によるもので、潜伏期が1〜2週間と長く、発症も緩徐で伴う臨床症状も比較的軽いのが特徴です。ときに水溶性下痢がみられることもありますが、軟便・間欠的な下痢・腹部違和感・倦怠感の憎悪などの症状で医療機関を受診する場合が多いようです。
起因病原体は、ランブル鞭毛虫が最も多く、開発途上国の滞在により感染します。赤痢アメーバやクリプトスポリジウムは比較的少なく、サイクロスポーラは地域ごとに季節特異性(ペルーでは12〜7月の間、ネパールでは5〜8月)があり、潜伏期間も数日で他の原虫と比較すると短くなっています。
病原体診断は、糞便中の虫卵や虫体を直接塗抹標本検査で検出します。ランブル鞭毛虫および赤痢アメーバ症に対して国内で頻用されている治療薬は、metronidazole(フラジール)で、サイクロスポーラ症ではtrimethoprim/sulfamethoxazole合剤(バクタ)が選択されます。
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