ジアルジア症は、Giardia lamblia(ランブル鞭毛虫とも呼ばれる) の感染によって引き起こされる下痢性疾患です。本症の感染経路はいわゆる糞口感染で、ヒトとヒトの接触や食品を介した小規模集団感染と、飲料水を介した大規模な集団感染が知られています。
現在、日本でのジアルジア感染者の多くは発展途上国からの帰国者(来日者)で、特にインド亜大陸からの帰国者での下痢症例で検出率が高くなっています。さらに、男性同性愛者間にも本原虫の感染がみられることがあり、HIV感染者に原虫が証明されます。
ジアルジア症は過去数十年間にわたって、日本では忘れ去られた感染症の1つでしたが、免疫不全者の感染、水系感染による集団発生事例などから、重要な再興感染症の1つとしての認識が必要となっています。
症状
下痢、衰弱感、体重減少、腹痛、悪心や脂肪便などがあげられます。有症症例では下痢が必発であり、下痢は非血性で水様または泥状便です。排便回数は1日数回〜20回以上と様々であり、腹痛を伴う例と伴わない例が相半し、発熱は多くの場合みられません。感受性は普遍的ですが、成人よりも小児の方が高い感受性を示します。
検査と診断
診断は、糞便から顕微鏡下で本原虫を証明することです。糞便中に見られる原虫の形態は、水様便では栄養型が、泥状便や有形便では嚢子が検出されます。検査方法は通常の検便か、遠心沈殿法で得られた沈渣をヨード・ヨードカリ染色することで比較的容易に検出できます。海外では、診断用の蛍光抗体試薬が市販されています。
治療
メトロニダゾールやチニダゾールなどニトロイミダゾール系の薬剤が用いられます。
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