4)薬物療法
過敏性腸症候群の薬物療法に使用される薬剤には様々な種類があります。いずれの薬剤も専門医の指導が必要です。身体症状、精神症状に対して、対症的な効果を期待して使用されます。
消化器症状には、抗コリン剤・消化管機能調節剤・整腸剤・止痢剤・緩下剤などが使用され、消化器症状以外の身体症状、精神症状には、自律神経調節剤・抗不安剤・抗うつ剤が使用されます。
・抗コリン剤(鎮痙剤):臭化ブチルスコポラミン(ブスコパン)、臭化チメピジウム(セスデン)、臭化チキジウム(チアトン)
※抗コリン剤は平滑筋の収縮を抑制し、鎮痙作用を有するため、腹痛や下痢に有効で、食直後の腹痛の場合は食前に内服します。
・消化管機能調節剤:マレイン酸トリメブチン(セレキノン)、ドンペリドン(ナウゼリン)、クエン酸モサプリド(ガスモチン)、ポリカルボフィルCa(ポリフル、コロネル)、臭化メペンゾラ−ト(トランコロン、配合剤−P)、塩酸ピペタナ−ト+アカメガシワ(イリコロンM)
・整腸剤:乳酸菌製剤(ラックビ−、ビオフェルミン)
・止痢剤:塩酸ロペラミド(ロペミン)、タンナルビン
・緩下剤:酸化マグネシウム、カルメロ−スNa(バルコ−ゼ)、寒天、ピコスルファ−トNa(ラキソベロン)、センナ(アロ−ゼン)、センノシド(プルゼニド)、ダイオウ末
※過敏性腸症候群の便秘は腸管運動亢進による痙攣性便秘であることが多く、刺激性下剤であるセンナ、センノシド、ダイオウ末、ピコスルファ−トNaなどは、かえって腹痛を増強することがあるので注意を要します。
・自律神経調節剤:トフィソパム(グランダキシン)、クロチアゼパム(リ−ゼ)
※不安や緊張を和らげることにより、過敏性腸症候群に伴う精神症状のみならず腹部症状も改善させます。腸以外の症状のいくつかは、全身性の自律神経失調によるため、必要に応じて自律神経調整剤を併用します。
・抗不安剤:ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)、オキサゾラム(セレナ−ル)、ブロマゼパム(レキソタン、セニラン)、エチゾラム(デパス)、クエン酸タンドスピロン(セディ−ル)
・抗うつ剤:塩酸イミプラミン(トフラニ−ル)、塩酸アミトリプチリン(トリプタノ−ル)、塩酸ミアンセリン(テトラミド)、スルピリド(ドグマチ−ル)
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