下痢止め薬には、その作用メカニズムによって腸管運動を正常にするもの・整腸剤・殺菌剤・腸管運動抑制剤・収れん剤などがあります。原因と症状を手がかりに、下痢止め薬を選ぶことが大切です。
・腸管運動を正常にする
木(もく)クレオソートは、小腸の運動には作用せず、大腸のセロトニン受容体に作用し、腸のぜん動運動を正常化します。また腸管内の過剰な水分分泌を抑制し、水分吸収を促進して腸管内の水分を調節する作用があります。
木(もく)クレオソートは、ブナやマツなどの原木を炭化したときに出る煙を冷却し、液化して静置する時にできる、木(もく)タールを繰り返し蒸留精製して得られます。あの正露丸に含まれる成分で独特のにおいをもっています。
セイロガン糖衣A(大幸薬品)、正露丸(大幸薬品)、など
・整腸剤
乳酸菌・ビフィズス菌には、腸内原因菌の感染を阻止する・腐敗菌の増殖を抑える・便秘を防止・免疫機能を刺激して抵抗力を高める・ビタミン類の合成・血中コレステロール値を下げるなどの働きがあります。整腸剤は下痢時の乱れた腸内菌叢のバランスを整え、おだやかに腸の働きを正常状態に戻しますが、下痢の症状を改善するものではありません。下痢止め薬との併用が効果的です。
ビオフェルミン下痢止め(武田薬品)、ミヤリッチ(ミヤリサン製薬)など
・殺菌剤
殺菌作用があるので、食あたりに効果があるといわれています。腸内殺菌剤のアクリノール、塩化ベルベリンやタンニン酸ベルベリンなどが配合されています。 腸粘膜の炎症を抑え、腸内の水分過多を防いで下痢を抑えます。
ストッパ 下痢止め(ライオン)、エクトール赤球(第一三共ヘルスケア)、アイフ(アイフ製薬)、新タントーゼA錠(第一三共ヘルス)、テリオミンカプセル(三宝製薬)はら薬無二(大同製薬)など
・腸管運動抑制剤
神経の働きを抑え、腸のぜん動運動を抑制し、水分分泌を抑制します。
塩酸ロペラミドは、腸管のオピオイド受容体に作用し、腸のぜん動運動を抑制、腸管における水分・イオンの分泌を抑制、吸収を促進することで止瀉効果を発揮します。しかし、塩酸ロペラミドは、腸の運動を抑制するので細菌性の下痢には使用できません。
ロートエキスは、副交感神経を遮断し、下痢止め薬以外にも胃腸薬の鎮痛鎮痙薬として使用されています。副交感神経に作用するので、副作用として口中の渇き、便秘、散瞳、頻脈といった症状があります。緑内障や排尿困難の方は、症状を悪化させる恐れがありますので使用できません。
ロペラマックサット(佐藤製薬)、シグナル下痢止め(エスエス製薬)
・収れん剤
収れん剤とは、腸粘膜のたんぱく質と結合して沈殿膜をつくり、腸壁を保護して炎症を抑える成分のことです。タンニン酸アルブミン、次硝酸ビスマスなどがあります。
テスミンエース・PTPカプセル(佐藤製薬)、
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