小児の下痢 の原因はウイルス性のものが最も多く、次に食事の不適切、細菌性の下痢があります。小児の下痢 の対策として大切なのは食事療法ですが、何を食べさせても下痢が解消しない、食べてもすぐに下痢をしてしまうので、衰弱してしまうのではないかと心配になります。小児科の先生によれば「水分さえとっていれば、1〜2日くらい食べなくても大丈夫」なのだそうです。発熱や嘔吐がなく、比較的元気な場合には気長に食事療法を続けることが、下痢解消の近道といえます。
食事療法のポイントは次の3つです。
1)出ているものと同じ固さのものを食べさせなさせる
2)水分を補給する
3)消化のよいもの(食物繊維を含むものはさける)を食べさせる
水のような下痢が出ているときに固いウドンや食物繊維を含む食品を食べさせたりすると、腸は消化吸収する余裕がないだけでなく、小腸の消化液が大量に下痢に出てきて脱水を進めます。さらに激しい蠕動運動をするときにせっかく再生しかかった腸の粘膜もはがれ落ちて赤むけの粘膜の状態に逆戻りし、いっそう下痢はひどくなります。
特にウイルス性の下痢のときは腸の粘膜がゴッソリはがれ落ちている状態です。そんな時に少しでも固いものが入ってくると腸の粘膜はとても受け付けません。水のようなお粥や、水しか受け付けないときもあります。
脱水を避けるためには水分補給が大切ですが、水だけでは小腸での吸収ができないので、市販のイオン飲料や経口補水塩(ORS)が適しています。また簡便なORSの作り方として、水1リットルに対して砂糖小さじ4、塩小さじ半分で作ることが出来ます。スティックシュガー2本、塩1つまみぐらいの量です。
食物繊維というのは消化吸収されず、便の材料になる食べ物です。健康なときにはそれなりの役割がありますが、下痢の時は避けたい食品です。果物はすべてダメで、リンゴのすり下ろしもよく与えられていますが、これも便の材料です。果物を搾ってジュースにしたものなら可です。
また市販のジュースには糖分が含まれており、糖は腸で吸収されるときに分解され腸を刺激する別の糖に変化するので避けたい食品です。ポカリスエットとかアクエリアスなどのイオン飲料にはブドウ糖が入っていますが、これは単糖類で腸ではそれ以上分解されない糖なので大丈夫です。
牛乳はいつもたくさん飲んでいるなら少量飲んでも大丈夫ですが、たまにしか飲んでいない場合には飲まない方が良い食品です。離乳期の下痢で母乳を飲ませるのを止めたら、下痢の症状が改善したという例もあります。日頃は出ないアレルギー症状が下痢のときは出てくる場合があるからです。
イオン飲料や水のようなお粥で便の回数が減り、便の内容物が乏しくなったなと思えば、今出ているものより少しずつ固めのお粥にしていきます。おかずもお粥の固さに合わせるようにします。食べさせるものは離乳食の初期と同じように、最初はゆっくり固くしていき、後半にはサッサッと普通食に戻していきます。
もし固くしていく途中で食べてすぐに30分以内に下痢が出て、食べ物のにおいがするようなときには不適当な食べ物が入っていて腸が受け付けなかったということです。そういうときは少し前の固さの食べ物に戻します。
とにかく、あせらず気長に付き合うことが大切です。
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