下痢と便秘のメカニズム

下痢とは水分を多く含む形のない糞便を排出する状態で、24時間の糞便重量が200g以上、または糞便中の水分量が200mL以上と定義されます

下痢と便秘のメカニズム

下痢とは水分を多く含む形のない糞便を排出する状態で、24時間の糞便重量が200g以上、または糞便中の水分量が200mL以上と定義されます。
また、便秘は糞便の腸内滞留時間が延長し、水分量が少なくなることにより、糞便が硬くなって肺便に困難を伴う状態で、本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態と定義されます。

・腸管の吸収不全による下痢:腸管で吸収されなかった物質が高濃度で腸管に滞留することにより、腸管内の浸透圧が高まり、これを希釈するために多量の体液が腸管内に移行することが原因で起こる下痢です。
吸収不全の原因として
1)消化酵素の欠乏により栄養素を消化吸収できない(乳糖不耐症、胆・膵臓疾患などによる脂質の消化吸収障害)
2)吸収されない物質の過剰摂取(ソルビトール、ラクロース、マンニトールなど)
3)腸管吸収能以上の摂取

・腸内環境の異常
腸内有害腐敗菌の増殖→感染症→下痢
  ↓     ↑       
善玉菌減少  腸内pH上昇   
  ↓     ↑       
有機酸・短鎖脂肪酸産生低下→大腸での水分・ミネラル吸収障害→下痢
      ↓
腸管蠕動運動低下→便秘

・善玉菌を増やす方法
1)プロバイオティクス
腸内細菌のバランスを改善することにより宿主に有益に働く生菌添加物。最近では生菌のみならず死菌体も含めて考えられています。(ビフィズス菌、乳酸桿菌など)
2)プレバイオティクス
大腸内の有用菌の増殖促進あるいは有害な細菌の増殖抑制により、宿主に有益な効果をもたらす難消化性食品成分(食物繊維、オリゴ糖)

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