内蔵痛とは、消化管の収縮や過伸展によって発生する腹痛をいいます。内蔵痛は、消化管壁を構成する平滑筋が収縮・伸展(痙攣)することで発生したインパルスが交感神経系である内蔵神経求心路を上行し、脊髄視床路を経て大脳辺縁系に伝わることで生じる痛みです。
痛みの症状は鈍痛・疝痛・不快感・膨満感として表現され、腹痛の原因疾患を生じた消化管の部位に応じて、体の中心線上の各部位に痛みが出現します。
通常は、悪心・嘔吐・顔面蒼白・発汗などの症状を伴うことが多く、痛みは周期的ないし間欠的に強くなったり弱くなったりを繰り返します。また、体を動かしたり歩いたりすることで痛みが和らぐこともあります。痛みに対してはブチルスコポラミン臭化物(製剤名:ブスコパン錠)などの鎮痙剤が有効で、ほとんどの場合、緊急手術・処置は必要ありません。
・ブチルスコポラミン臭化物の働き
胃腸など消化器系臓器の運動は、副交感神経の命令によって亢進します。この神経の働きはアセチルコリンという神経伝達物質により強まります。ブチルスコポラミン臭化物は、アセチルコリンをおさえることで、副交感神経の刺激を弱めます(抗コリン作用)。その結果として、胃腸や胆管の異常な運動(痙攣)がおさえられ、痛みが和らぎます。
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