慢性便秘症(自発排便回数が平均3回/週未満の状態が6カ月以上持続し、器質性や二次性の便秘を除外した患者)の効能・効果で、ルビプロストン(商品名アミティーザ)の製造販売が承認されました(2012年7月)。慢性便秘症に適応を獲得したのは同薬が初めてです。
ルビプロストンは、小腸粘膜上皮細胞に存在するタイプ-2クロライドイオンチャネル(ClC−2)に作用することで、腸管内への水分の分泌を促進し、便を軟らかくして排便を促す効果を持っています。これは、従来から便秘の治療に使われている酸化マグネシウムが腸内の浸透圧を高めて体内から水分を引き出し、便を軟らかくして排便を促すのと似ています。
国内で、重度の慢性便秘の患者を対象に行った治験では、排便回数をほぼ毎日に改善することが示され、さらに約1年間の長期第3相臨床試験では、長期間の投与で効果が減弱せず、薬剤に対する耐性が生じにくいことが確認されました。
ルビプロストンの特徴
・便の硬さを理想的な状態にする。ブリストル便形状スケールによる7段階の3.7〜3.9を維持することが確認。
・腹痛はほとんどなく、自然な排便が促進される。
・腎不全などにより酸化マグネシウムが使えない患者に処方しやすい。
ルビプロストンの主な副作用として、臨床試験では下痢(30%)や悪心(23%)が報告されています。これらの副作用は用量が多すぎることによって生じるもので、減量すれば改善するとの報告があります。
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