便秘の治療には下剤を用いることが多いのですが、便秘の種類によっては下剤が逆効果になることがあります。そこで、便秘の治療を進めるには、まずタイプを見極める必要があります。
便秘は、大腸癌などの疾患や抗コリン薬など薬剤の副作用が原因となる続発性便秘、大腸蠕動運動や直腸機能の異常などが原因となる特発性便秘の2つに大別されます。
続発性便秘の場合、大腸癌や甲状腺機能低下症など、重篤な疾患が隠れていることもあります。便秘の多くは、特発性便秘で、弛緩性、直腸性、過敏性腸症候群(IBS)の3タイプがあります。
弛緩性は、大腸の蠕動運動が弱く、便の進みが鈍化し、排便回数が少なく、便が固いのが特徴です。
直腸性は、大腸は順当に通過するものの、直腸で便が停滞。便意は毎日あるが、排出困難、もしくは少量しか排出できず残便感を感じます。
IBSは、腸が知覚過敏になることで起こることが多く、便秘型、下痢型、便秘と下痢を繰り返す混合型があります。IBSの便秘症状では、腹部膨満感や腹痛、残便感があります。また、これらの症状が排便によって改善されるのも特徴です。
便秘スコア(constipation scoring system)は、便秘で受診した人に対し効率的に問診項目を聞き、不満を拾い上げるために活用されます。これは、排便回数、排便困難など、それぞれの症状の度合いを患者自身でスコア化するもので、便秘のタイプ診断に役立ちます。
便秘スコアが高いにもかかわらず残便感がなく、排便回数も少ない場合は通過時間の延長が考えられるため弛緩性が疑われます。排便回数は正常でも、排便困難や残便感のスコアが高い場合は、直腸性の可能性があります。また、腹痛を頻繁に伴う場合は、IBSが考えられます。生活習慣も関与し、ダイエットで過剰な食事制限を行っているために便秘になることもあります。大腸や直腸の機能自体に問題がなくても、食事の摂取量が極端に少なければ便の量も少なくなるため、大腸での進行が遅延します。高齢者や会社員などは、水分不足が原因となっている場合もあります。こういった生活習慣は、本人が問題として認識していないことも多いようです。
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