ミネラルウォーターは、地下水を原水とする容器入り飲料水をいいます。原水の成分に無機塩添加などの調整を行っていないものは、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーターと呼ばれます。また、原水が地下水でないものは、ボトルドウォーターと呼ばれます。これらの区分については農林水産省のガイドラインに定められています。
ミネラルウォーターは、元々地下水などの硬度が高過ぎて飲用とし難いヨーロッパを中心に、味の良い地下水のある地域の物を瓶詰めして飲料水として販売したことに始まります。近年、ミネラルウウォーターが「自然である」「健康に良い、有害な不純物を含まない」として、世界的にも愛飲者が広く存在しています。その一方で、“ミネラルウォーター”の名称から、ミネラル(無機物)を多く含んだ飲料水のことと思っている人も多いようですが、ミネラルウォーターにはミネラル成分の品質規定があるというわけではありません。
市販のミネラルウォーターに含まれる程度の量ではミネラル摂取の効果は期待できません。基本的に水であるため、大量に摂取すれば摂取するほどに尿の量も増え、それに伴ってミネラル分も吸収したそばから排出されます。
比較的水事情の良いと思われていた日本国内でも、大都市圏などの水道水には、水源の有機物系の臭いや水道配管の錆、さらには消毒のための塩素の臭いやトリハロメタンの危険性など、水質に問題があると感じてミネラルウォーターを愛飲している人も増えています。
近年、バナジウムが糖尿病抑制効果があるとして、このバナジウムを含む地下水が健康食品の一種として販売されていますが、このバナジウムの糖尿病抑制効果には明確な裏付けがある訳ではないようです。
ミネラルウォーターの表示区分
農林水産省のガイドラインにより内容物の表示を定めています。
・適用範囲
地下水などのうち飲用適の水(カルシウム、マグネシウムなど(硬度)及びpH値を除き、水道法第4条に適合する水をいう)を容器に詰めたもの(炭酸飲料の日本農林規格(昭和49年6月27日農林省告示第567号)に規定する炭酸飲料を除く)。これを「ミネラルウォーター類」という。
・ナチュラルウォーター
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。
・ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)をいう)を原水としたもの。
・ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的などのためにミネラル調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合などが行われているもの。
・飲用水、ボトルドウォーター
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもの。
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