腹痛を症状とする疾患には様々なものがあります。一般的には腹部臓器の疾患が多いのですが、それ以外の疾患でも腹痛を認めるものがあるので注意が必要です。
1)消化器系
a.消化管疾患:炎症、穿孔、外傷、閉塞、痙攣、拡張、血行障害、壊死など
b.腸間膜疾患:血行障害、軸捻転、炎症など
c.胆道疾患:閉塞(腫瘍・結石による)炎症、穿孔など
d.膵臓疾患:炎症、外傷、壊死、膵管閉塞など
e.肝臓疾患:肝炎、肝膿瘍、腫瘍、出血、外傷など
関連痛は、内蔵痛が強くなってゆくにつれて、内蔵神経求心路と皮膚からの脳・脊髄神経求心路の間に短絡が生じ、痛みのインパルスが脳・脊髄神経に漏れることで、同一脊髄分節のデルマトームに痛みが誘発されることにより起こり、放散痛ともいわれています。
関連痛の例としては、胆石発作の際にみられる右肩甲骨や右上腕の痛みがあげられます。
壁側腹膜や腸間膜・横隔膜には、脳・脊髄性の知覚神経が分布しています。この神経には知覚受容体が備わっており、熱や摩擦といった物理的刺激やヒスタミン・セロトニン・胃腸液・血液などによる化学刺激を感受します。この知覚神経の神経線維は、太い有髄性脳・脊髄神経求心性線維です。脊髄後根神経節を経て脊髄視床路を上行して視床に達し、ニューロンを変えて大脳皮質に至ります。
腹部内蔵に大きな外力が加わったり、消化管穿孔によって消化液が腹腔内に漏れ出したりすると、この知覚受容体にインパルスが発生し、体性痛が生じます。
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