下痢止め薬には、その作用メカニズムによって腸管運動を正常にするもの・整腸剤・殺菌剤・腸管運動抑制剤・収れん剤などがあります。原因と症状を手がかりに、下痢止め薬を選ぶことが大切です。
・腸管運動を正常にする
木(もく)クレオソートは、小腸の運動には作用せず、大腸のセロトニン受容体に作用し、腸のぜん動運動を正常化します。また腸管内の過剰な水分分泌を抑制し、水分吸収を促進して腸管内の水分を調節する作用があります。
木(もく)クレオソートは、ブナやマツなどの原木を炭化したときに出る煙を冷却し、液化して静置する時にできる、木(もく)タールを繰り返し蒸留精製して得られます。あの正露丸に含まれる成分で独特のにおいをもっています。
セイロガン糖衣A(大幸薬品)、正露丸(大幸薬品)、など
・整腸剤
乳酸菌・ビフィズス菌には、腸内原因菌の感染を阻止する・腐敗菌の増殖を抑える・便秘を防止・免疫機能を刺激して抵抗力を高める・ビタミン類の合成・血中コレステロール値を下げるなどの働きがあります。整腸剤は下痢時の乱れた腸内菌叢のバランスを整え、おだやかに腸の働きを正常状態に戻しますが、下痢の症状を改善するものではありません。下痢止め薬との併用が効果的です。
ビオフェルミン下痢止め(武田薬品)、ミヤリッチ(ミヤリサン製薬)など
便の水分が異常に増え、液状またはそれに近い状態を下痢便、通常より少し軟らかい状態を軟便といいます。下痢便や軟便を繰り返し、腹部不快感や腹痛を伴う状態を下痢もしくは下痢症といいます。
正常な腸ではぜん動運動により、腸の内容物を肛門側に送ります。内容物が腸を通過する際に、内容物に含まれる水分が体内に吸収され適度な水分を含む便になります。
この時、何らかの原因でこのぜん動運動が異常に活発になった時や水分量の調節機能に障害が起きた時に便中の水分が増加して、下痢便や軟便が起こります。
カンピロバクター感染症は胃腸炎症状を主たる臨床像とし、その原因菌の95〜99%はCampylobacter jejuni subsp.jejun(以下C.jejun)で、食中毒起因菌に指定されて以来、食中毒事例数においてサルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌に次ぐ発生頻度を示しています。
一般に、細菌性食中毒は夏季に多発し、冬季に減少しますが、本食中毒においては、その発生は5〜6月に多く、7〜8月はやや減少、再び9〜10月頃に上昇傾向を示しています。しかし、東京都内では、1999年以降、冬季の発生が著しく増加しています。
臨床症状
症状は下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などで、他の感染型細菌性食中毒と酷似していますが、潜伏期間が一般に2〜5日間とやや長いことが特徴です。感染性腸炎研究会資料によると、入院患者の98%に下痢が認められ、その便性状は水様便(87%)、血便(44%)、粘液便(24%)です。特に粘血便がみられる場合は、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ等による腸炎との鑑別を要します。
下痢は1日に10回以上に及ぶこともありますが、通常2〜6回で1〜3日間続き、重症例では大量の水様性下痢のために、急速に脱水症状を呈します。また、腹痛は87%、嘔吐は38%にみられた。発熱時の平均体温は38.3℃で、サルモネラ症に比べるとやや低いとされています。
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